活動報告
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旭化成ホームズ株式会社
冨士実証実験棟 研修会報告- ■研修会日時
- :2013年5月13日(月)PM1:00~
- ■場所
- :旭化成ホームズ 冨士実証実験棟
- ■参加者
- :JEG会員 21名
- ■別掲載記事
- :旭化成ホームズ株式会社 ニュースレター
旭化成グループが『健康で快適な生活』『環境との共生』という視点から1、環境・エネルギー 2、住・くらし 3、医療 という3つの領域を中心に新規事業の展開を目指し、旭化成グループ組織横断“これからプロジェクト”における『実証棟HH2015』 そこには5つのテーマ(ゾーン)に分けて様々なアイテムを搭載していた。
その中の一つのゾーンとして、エクステリアガーデンゾーンがある。JEG としてのテーマに沿った施工実証も散りばめられており、技術の先進性もさることながら、エクステリアデザイナーによるアイデアとデザイン性の高い実証棟を創り上げていた。 また、今回多くの住宅マスメディアからの質問に対し旭化成ホームズではJEGの結束と住宅メーカーが持ち得る、今後のエクステリアや庭の価値に対しての強い方向性の意志を伝えている。
では、我々が体験した視察の中身を紹介させて頂くこととしよう。最初に私たちを向かい入れたエントランス、芝と平板敷きのコントラストあるアプローチが、スイッチ一つで、サンダーバードのテーマと共に電気自動車が浮上する【ポップアップカーポート(写真1)】。庭とカーポートが共存できる狭小戸建で力を発揮する専用機械式昇降カーポートだ。都心をターゲットにしているヘーベルハウスならではの発想である。ここでは皆かなり一驚させられた。芝への散水も含め、昇降時の音楽の導入などはユーモアと共に企業センスと次世代へのアプローチを感じさせる。
そして深い軒下を通り、中庭には江戸時代の遊び心が、現代風に雅趣されていた。モダン水琴窟【写真2】だ。 今の人々には馴染みうすいかもしれないが、まさに江戸時代の庭のおしゃれとした一つのアイテムが、現代の素材と共にデザインされている。先進住宅の中に先人の調べを取り込むという、意外な組み合わせが時の共調を感じさせ、何かほっとさせられた。この空間では、どの住宅メーカーも取り入れられている室内居室と同レベルでの屋外フロアアクセスは、ここでも取り入れられており外と中の一体感を繋ぐ一つの技法として確立されている形となっているようだ。ここでも、片持ちグレーチングの利用は不可欠であった。
一方で同様なレベル操作による空間の愉しみ方に、‘囲う’という手法がある。これは、高い囲まれた塀を取り入れ、居室からの眺めや庭での空間を外部との目線に“境”をあえて作り上げる事にある。今回、旭化成ホームズは二つのアイテムによるその囲いをつくりあげていた。一つは四国化成㈱【写真3】が出しているアートウォール2M以上の高さの壁を作りあげる事が可能だ。
もう一つは旭中部資材㈱と旭化成ホームズによるプライバシーウォールだ。こちらはRCに比べ軽量、短工期で高い壁を演出が可能になる。その他にも、今回はJEG として、各社の企業開発商品ツールを積極的に取り入れていたのが印象的であった。住友林業緑化のオリジナル樹木“ホワイトラブ”、ミサワエクステリアが提供した、my bio(ビオトープ)【写真4】やセキスイハイムサプライ㈱が提供したエアリーシェード(新発想の日よけ)【写真5】などは、環境問題への対応商品として注目をあびている。特にエアリーシェードは、前回の三井ホームスマート住宅のパーゴラにも採用されており、デザイナーがデザインすることで、意匠的にも住宅にフィットするしつらいをどちらも創り上げている。
同様にエクステリアメーカー以外が新たに環境を捉え開発した ソーラーカーポート(菊川工業㈱)【写真6】 雨水貯留システム(㈱テクノエコ)などは今後の実用性が高く、これからのエクステリアスタンダードになりえる商品ではないかとおもわれる。 これら一部の商品群からJEGでの共同利用や、商品の選択性・共有化など、JEGとして業界への強い発信力を感じさせられる商品ラインナップであった。また、緑育ゾーンには、ベジユニ【写真7】という土をいらないLED 照明付き水耕栽培キットでの野菜作りを、『緑と絆を育てるインテリア』をキーワードとして取り組んでいるなどはソフト面も好印象に映り、企業での開発バランスの良さを感じさせる。 最後に今回の旭化成ホームズ実証棟での視察の感想として、我々が新たに見つけ出さなければならない、エクステリアの可能性が無造作にちりばめられていたように思える。今後、住宅とエクステリアが持つ均整がどのように暮らしに貢献、恩恵を生みだすか、また、さまざまな外部空間領域でのスタンダードになりえるエクステリア商品の生みだしなど、高い実証商品とデザインの融合性がこの実証棟に潜まれていたのではないかと思う。
文)粟井琢美
その中の一つのゾーンとして、エクステリアガーデンゾーンがある。JEG としてのテーマに沿った施工実証も散りばめられており、技術の先進性もさることながら、エクステリアデザイナーによるアイデアとデザイン性の高い実証棟を創り上げていた。 また、今回多くの住宅マスメディアからの質問に対し旭化成ホームズではJEGの結束と住宅メーカーが持ち得る、今後のエクステリアや庭の価値に対しての強い方向性の意志を伝えている。
では、我々が体験した視察の中身を紹介させて頂くこととしよう。最初に私たちを向かい入れたエントランス、芝と平板敷きのコントラストあるアプローチが、スイッチ一つで、サンダーバードのテーマと共に電気自動車が浮上する【ポップアップカーポート(写真1)】。庭とカーポートが共存できる狭小戸建で力を発揮する専用機械式昇降カーポートだ。都心をターゲットにしているヘーベルハウスならではの発想である。ここでは皆かなり一驚させられた。芝への散水も含め、昇降時の音楽の導入などはユーモアと共に企業センスと次世代へのアプローチを感じさせる。
そして深い軒下を通り、中庭には江戸時代の遊び心が、現代風に雅趣されていた。モダン水琴窟【写真2】だ。 今の人々には馴染みうすいかもしれないが、まさに江戸時代の庭のおしゃれとした一つのアイテムが、現代の素材と共にデザインされている。先進住宅の中に先人の調べを取り込むという、意外な組み合わせが時の共調を感じさせ、何かほっとさせられた。この空間では、どの住宅メーカーも取り入れられている室内居室と同レベルでの屋外フロアアクセスは、ここでも取り入れられており外と中の一体感を繋ぐ一つの技法として確立されている形となっているようだ。ここでも、片持ちグレーチングの利用は不可欠であった。
一方で同様なレベル操作による空間の愉しみ方に、‘囲う’という手法がある。これは、高い囲まれた塀を取り入れ、居室からの眺めや庭での空間を外部との目線に“境”をあえて作り上げる事にある。今回、旭化成ホームズは二つのアイテムによるその囲いをつくりあげていた。一つは四国化成㈱【写真3】が出しているアートウォール2M以上の高さの壁を作りあげる事が可能だ。
もう一つは旭中部資材㈱と旭化成ホームズによるプライバシーウォールだ。こちらはRCに比べ軽量、短工期で高い壁を演出が可能になる。その他にも、今回はJEG として、各社の企業開発商品ツールを積極的に取り入れていたのが印象的であった。住友林業緑化のオリジナル樹木“ホワイトラブ”、ミサワエクステリアが提供した、my bio(ビオトープ)【写真4】やセキスイハイムサプライ㈱が提供したエアリーシェード(新発想の日よけ)【写真5】などは、環境問題への対応商品として注目をあびている。特にエアリーシェードは、前回の三井ホームスマート住宅のパーゴラにも採用されており、デザイナーがデザインすることで、意匠的にも住宅にフィットするしつらいをどちらも創り上げている。
同様にエクステリアメーカー以外が新たに環境を捉え開発した ソーラーカーポート(菊川工業㈱)【写真6】 雨水貯留システム(㈱テクノエコ)などは今後の実用性が高く、これからのエクステリアスタンダードになりえる商品ではないかとおもわれる。 これら一部の商品群からJEGでの共同利用や、商品の選択性・共有化など、JEGとして業界への強い発信力を感じさせられる商品ラインナップであった。また、緑育ゾーンには、ベジユニ【写真7】という土をいらないLED 照明付き水耕栽培キットでの野菜作りを、『緑と絆を育てるインテリア』をキーワードとして取り組んでいるなどはソフト面も好印象に映り、企業での開発バランスの良さを感じさせる。 最後に今回の旭化成ホームズ実証棟での視察の感想として、我々が新たに見つけ出さなければならない、エクステリアの可能性が無造作にちりばめられていたように思える。今後、住宅とエクステリアが持つ均整がどのように暮らしに貢献、恩恵を生みだすか、また、さまざまな外部空間領域でのスタンダードになりえるエクステリア商品の生みだしなど、高い実証商品とデザインの融合性がこの実証棟に潜まれていたのではないかと思う。
文)粟井琢美